どれだけ丁寧に畳んだとしても、ポケットに入れて数歩歩くだけでしっかりガン絡みしてくれるのがイヤホンのコードという存在。
長らく人を悩ませてきたこの問題に終止符を打ったのが、ご存知ワイヤレスイヤホンです。
ここ数年でかなり手頃な値段のモデルが数多くリリースされており嬉しい反面、適当に買うと手持ちの環境では使えなかったり、音質が劣化するなどの初見殺しの罠があったりします。
そこで今回は、
- 僕が初めてワイヤレスイヤホンを買った時にググり倒して調べた「最初の1台を選ぶ時に確認するべきポイント」の紹介
- 最終的に購入した「GLIDiC Sound Air TW-5000」のレビュー
- 導入した後の生活(メリット、デメリット)について
を書いていこうと思います。
先に言っておきますが、ワイヤレスイヤホンは一度導入したらもう戻れません。
今までの相棒(有線イヤホン)には今のうちにお別れを言っておいたほうがいいでしょう。
ワイヤレスイヤホンを選ぶ時の基準
僕が選んだ時の基準です。
ここは人によって差が出てくるトコロですが、先に自分が求める機能をまとめておくとモデル選定が楽ですし、後悔しにくいです。
- iPhone(当時は6s)での使用が主なので、それに適していること。
- 耳に入れるタイプ(カナル型)であること。耳掛けタイプは着けてて気になるのでNG。
- プレーヤー本体との接続が簡単であること。使うたびに本体側での接続操作が必要だったりしないもの。
- 見た目が気に入る
④とか身もフタもないような気もしますが、どれも個人的に必須の項目でした。
ちなみに音質は人それぞれの好みの幅が大きすぎるので他人の意見は参考にならないと思います。
個人的には「普段の音楽鑑賞で許容できるレベルの音質ならおk」くらいに考えていました。
そしてこの条件に合うモデルをググる中で知った、「買う前に絶対に確認すべきポイントがコレです。
本体とイヤホン、それぞれが対応している…
- コーデック
- Bluetoothのバージョン
- を確認すること。
以下、それぞれの詳細をまとめておきます。
対応コーデックの確認
Bluetoothで音楽を送受信する際、データを圧縮してやりとりしているのですが、その圧縮の形式をコーデックと呼びます。
みたいな仕組みを知ってても日常生活で全く役に立たないので、ココで意識するべきなのは
- コーデックにはSBC、AAC、aptXの3種類があること
- SBC<AAC<aptX の順で音質が良く、再生時の遅延も少ないこと
- Bluetooth接続する送信側と受信側の両方が同じコーデックに対応していて初めて、そのコーデックで再生できること
この3つです。
注意点としては、iPhoneはこの3つの中でaptXだけは対応していないので(2018年10月現在)、次点のAACに対応しているイヤホンを購入する必要があるということ。
仮にaptXにしか対応していないイヤホンをiPhoneで使おうとすると、どんな機器でも対応しているSBCで接続されます。
しかしこのSBC、音質が劣化する上にかなり遅延が出ます。動画を見る時など映像から3秒くらい遅れて音声がやってくるので、悪い夢を見ているかのようです。
AAC、aptXのどちらかであればストレスなく使用できるレベルなので、SBC以外で接続できるイヤホンを選ぶのは必須事項だと考えます。
Bluetoothのバージョンの確認
各機器のBluetoothにはバージョンがあり、これは後からアップデートすることができません。
そして本体とイヤホンのバージョンは一致していることが望ましく、異なった場合は低い方の性能に合わされます。
2018年10月現在ではVer.5.0が最新ですが、最低でもVer4.0以降に対応していれば機能的な問題はありません。
それより前になってしまうとイヤホンの機能が使えなかったり、そもそも接続すらできない場合が出てきますので注意が必要です。
ちなみにiPhoneの場合は6以降(SE含む)がVer.4.2、8以降が5.0ですので、ワイヤレスイヤホンを選ぶ際は自分の手持ちをよく確認しておきましょう。
最終的に購入したのは「GLIDiC Sound Air TW-5000」
上記の条件を踏まえ、果てなきググりの末に僕が購入したのが「GLIDiC Sound Air TW-5000」というモデル。
TW-5000の特徴はざっくり以下の通り。
- AACに対応
- Bluetooth Ver.4.2
- カナル型
- 接続がすごく楽
- (個人的に)80点くらいの音質
- 半端ではないコスパ
見事に条件を全て満たしています。
見た目もシンプルでとても好印象です。特に箱。
使い始めてそろそろ1年が経とうとしていますが、正直かなり気に入っています。
以下に詳しくレビューしていきます。
使い方が楽
一通り使ってみましたが「コレが出来なくて不便」という点が特に見当たりません。
とても使いやすく設計されています。
一番重要視していた接続の楽さですが、TW-5000はなんと一度初期設定をしてしまえば、次回からはイヤホンを充電器から取り出すだけで勝手に接続してくれるのです。
そして逆に充電器に収納することで接続が自動で切れ、音の再生も止まります。
この「聴きたい時に出して着ける、終わったら外してしまう」だけでいい手軽さが本当にストレスフリーで、最も買ってよかったと感じているところです。
また左右のイヤホン外側がボタンになっており、押し方(長押し、連続押しなど)によって再生停止、早送り巻き戻し、曲戻し曲送り、音量調整などの一通りの操作がイヤホンだけでできるようになっています。
イヤホンだけで出来る、というのがやはり大きいです。
曲を飛ばすたびにスマホを出したりしまったりするのは、なかなかせわしないものです。それだけスマホを道に落とす機会も増えますしね。
80点くらいの音質
上で「音質は好みなので他人の意見は参考にならない」と書いたとおり、ここに関しては完全に僕の主観です。
それでもなるべく客観的なレビューになるよう、音の感想ではなく、音の出力の傾向を書いておこうと思います。
このTW-5000は、中低域が強く出るイヤホンです。
この文を英訳しなさい。
カナル型(密閉型)なので比較的、低音域まで聴き取りやすいのもありますが、わりとハッキリしたキャラクターのある音質だと言えるでしょう。
ただ個人的には、結局は聴いている音質に合わせて慣れていくのがヒトの耳であると感じているので、一聴して「あっコレはアカンわ」と感じてしまうような音質でなければ問題ないと思います。
最強のコストパフォーマンス
“””強い““”、優勝、ありえん良さみが深い……。
衝撃を表す言葉は数多くありますが、TW-5000のコスパの良さを伝えられる表現にはまだ出会えていません。
上記の通り、iPhoneフレンドリーかつ「とりあえずワイヤレスイヤホンの便利さを体感したい」人向けのストレスフリーな設計を両立しているこのモデルですが、その価格はなんと1万円しないのです。
というか今見たら9,000円すら切っていました。最後には無料になりそうで怖いですね。
ちなみに天下のAirPodsは1.7万、BOSEみたいな有名オーディオメーカーだとミドルクラスでも2~3万します。
もちろん謎のメーカーが出している2,000円くらいのモノもありますが、まさしく狂気の沙汰と言わざるを得ません。
高すぎない、ある程度の金額を払うことで安心感を得たい派の人には、1万円弱という価格帯はちょうどいい肉付きなのではないでしょうか。
ちなみにこのモデルのメーカーであるGLIDiCはソフトバンクのオーディオブランドです。
不具合は特にないけど気を付けた方がいいポイントはある
予期せず接続が切れる、ボタンが効かなくなるなどの不具合は今のところ1度もありません。
ただ、たまにメカらしく変な感じになることがあります。
初見だと焦ると思うので、対応策と共に書いておきます。
①たまに右だけしか接続されないことがある
TW-5000には右耳だけ接続して通話できる機能があるため、それが誤作動することがあります。
その時は一旦左右とも充電器にしまい、もう一度取り出して接続し直すことで治ります。
②ボタン操作が上手くできず、目的と違う操作になることがある
左右のボタン2つだけで一通りの操作をするため、上手く操作できていないことに気付かず、故障を疑ってしまうことがありました。
例えば「2回連続押しで曲をスキップしようとしたが押し方が早すぎて1回しか押せず、音量が上がってしまった(1回押し)。」という状況。
これはもちろん慣れの問題です。体感ですが、マウスのダブルクリックと同じ速度だと速すぎると思いますので注意してください。
③防水性能はない
少し趣旨と外れますが、TW-5000には防水性能がないので、重視する方は注意した方がいいです。
同価格帯ならZolo Libertyがほぼ同機能で防水にも対応していますが、イヤホン側での音量調節はできません。
導入した後の生活
大枠で言えばもちろん生活は「向上した」のですが、とはいえ導入したことで新たな問題も出てきたので、参考になりそうな部分だけご紹介します。
メリット① コードからの解放
言わずもがな。もう大好きな推し曲で踊り狂うあなたを止めるモノはありません。
あとは個人的すぎて恐縮ですが、
- 寝る時に音楽を聴くので、コードが頬に触れて気にならない
- 10mくらいは本体から離しても接続が切れないので、風呂掃除する時にスマホ本体は部屋に置いたまま音楽を聴きながら掃除できる
この2点が神だと思いました。
特に風呂掃除は両手が濡れているので、スマホ画面を触らずに曲送りできるのがとても画期的です。
メリット② iPhoneを充電しながらでも聴ける
iPhoneを使っている場合、7以降にはイヤホンジャックがありません。
有線イヤホンだと充電用の挿し口に専用の変換ジャックなどを介して挿す必要があるのですが、これでは充電とイヤホンでの視聴を同時に行えないのがネックでした。
こういうAppleのやらかしを補えるのもワイヤレスの強みです。
そもそもBluetooth接続でジャックが必要ないため、問題にすらならないのです。つええ。
スマホは充電場所に置いたまま音楽を聴きつつ自由に行動できるので、否が応にも音楽が密着した生活になっていきます。
デメリット① 失くす恐怖は永遠に消えない
ぶっちゃけ有線イヤホンでも失くす時は失くしてたので、致命的かと言われるとそうでもない気がします。
ただ、左右が独立している分「片方だけ失くす」という危険性が増えるのと、「充電ボックスだけ失くす」という新たな危険性の追加もあるため、比較的紛失しやすいのは間違いないでしょう。
僕の場合は常に「失くすかも」という僅かな恐怖があるため、逆に紛失せずに1年使えていますが、「手品みたいに身の回りのものが消えていくんだよね」という感じの人にはあまりおすすめできないアイテムです。
デメリット② 充電が必要なので、コンセントが増える
「ワイヤレスだから充電が必要で、切れたら使えなくなる」とかは買う前から承知していたので問題なかったのですが、地味に困ったのが充電アダプターの問題です。
当然と言えば当然なのですが、ワイヤレスイヤホンは基本的に毎日充電する必要があるため、常にコンセントの挿し口を1つ占有することになります。
家族がいるなど、挿し口に余裕がない家庭においては有線イヤホンにはないデメリットとなりえます。
解決策としては、1つのアダプターに複数のUSBが挿せるアイテムを用意すること。
挿し口はこれで何とかなりますが、今度は家全体のアンペアを超えないように注意が必要です。
ワイヤレスイヤホンは初めての1台が思い入れ深い
コードが絡まったりして邪魔だから。なんか見た目がカッコいいから。
ワイヤレスイヤホンを購入する理由は人それぞれありますが、僕の場合は「わかりやすく未来だから」というものでした。
「コードが無くなったイヤホン」は個人的に「宙に浮くクルマ」くらい分かりやすい革新だったのです。
デスノートの未来編で初めて見かけた完全ワイヤレスイヤホン。手にしてみると、その当時のワクワクを裏切らない使い勝手の良さ。
運よく最初の1台で良いモデルに出会えたため、期待通りの体験を得ることが出来ました。
これから初めてのワイヤレスイヤホンに出会うあなたと、その感動を共有できたなら幸いです。