かなり長い間「電子書籍は邪道!!紙の本の温もりが好き!!」という製本原理主義者だったのですが、電子書籍が世に出て早数年。
気が付けば、しっかりスマホとKindle(キンドル)タブレットで読書している現状がありました。
もちろん紙の本も全然現役なのですが、紙と電子書籍の割合が0:10から5:5くらいまで持っていかれており、生活への根差し方が半端ではありません。
一言で言うと「利便性には勝てなかったょ。。。」ということなのですが、せっかくなので、なぜ紙の本信者が電子書籍に懐柔されたのかをご紹介しようと思います。
「電子書籍がある生活がどんなもんか知りたい」、「電子書籍に負けない精神を養いたい」みたいな方にはお役に立てるかと思います。
ちなみにKindleにはスマホ・PC(アプリ)で見る方法とタブレットで見る方法があり、外でも中でも見れます。逃げ場はない、と思った方がいいでしょう。
電子書籍サービスは、こだわらないならKindleが安牌
僕にとっての電子書籍とは、Amazonが運営するKindle関連サービスのことを指します。
他の電子書籍サービスも色々見てはみたものの、月額料金が必要だったり取り扱う本のジャンルが偏っていたりと一長一短だったので、結局王道のAmazonに落ち着きました。
電子書籍サービスを比較する際はよく「数十万冊の本を取り扱っていてどうこう」と蔵書数がピックアップされることが多いですが、実際のところは、普通の書店で売ってるような本はAmazonでも売ってるという現実が全てだと思います。
日常生活で本が欲しくなった時、不便することが基本的にない。その1点が満たされていれば、ほとんどの人は細かいサービスの違いなどは気にしないでしょう。
その点、Amazonの品ぞろえに関してはご存知のとおりで、かつKindleの利用には月額料金も不要。
あえて他を使う特別な理由がないのであれば、Kindleを導入しておけば間違いないと思います。
導入せざるを得なかったKindleのメリット
電子書籍が導入されると従来の生活がどう変わるのか。
個人的に大きかったポイントに絞って書いていきます。
欲しい本が欲しい時、一瞬で手に入る
僕が最初に電子書籍を使ったきっかけもコレです。
ヤッベこの本今すぐ読みたい!と思った時に紙の在庫がなくとも、電子書籍なら無限の在庫があるのでいつでも購入できます。
またAmazonもやり方が汚く、Kindle本のページには1-Clickボタンという、押すだけで購入と本体へのダウンロードが済んでしまうボタンを配置しているのです。
まさしく「欲しいと心の中で思った時には既に行動が終わっている」状態になります。現実でもあり得ることだとは思いませんでした。
購入したその手で(?)すぐさま読書に入れるスピード感には、未来的なものを感じます。
スマホやタブレットで場所を選ばずに読める
冒頭でも書きましたが、購入したKindle本はスマホやタブレットに無料アプリを入れることで読むことができます。
一度入れてしまうと本当にいつでもどこでも読書に入れるため、なんかもうビックリするほど読書量が増えます。
冷静に考えると普段スマホをいじっている時間がそのまま読書の時間になるわけで、5分でも暇だとすぐ読書。そりゃ本も進みます。
「今読書できないなら絶対に導入しないで下さい。読書が手軽すぎて、ほぼ100%その場で読書してしまいます。」いえ、言ってみただけです。
スマホでは小さくて読みづらい…。ということであれば、タブレットで持ち運ぶといいでしょう。
個人的にはKindle paperwhiteが大きさ的にも見やすさ的にもベストでした。
語句の検索が一瞬で出来る
仮に小説などで、難しい単語や初めて見る言い回しが出てきた時。
紙の本だとスマホかPCでブラウザを立ち上げ、ググって出てきた最初のページを踏んで初めてその意味を調べることが出来ますが、なかなかに手数が多いです。
Kindleの場合、調べたい単語の部分を長押しして選択してあげると、同画面に検索結果が表示されます。
表示される検索結果は3つ。
- Wikipediaでの検索結果
- Kindle内蔵辞書での検索結果
- 翻訳
大体の用語はWikipediaで出てくるため、かわいそうですが内蔵辞書の出番はありません。
しかし翻訳に関しては完全に別物。
結構な精度で翻訳してくれます。英語から日本語へはもちろん、その他言語からの翻訳なんかも可能です。
そしてあからさまに押して欲しそうにしている右側のスピーカーボタンは、押すと翻訳文を音声で読み上げてくれます。
機械音声なのに、ちゃんとイントネーションが聴き取れるくらいにはハッキリ発音してくるので結構ビビります。
普通に英語学習に使えるレベルだと感じます。でも変な単語とか読ませたらダメですよ(念押し)
何冊買ってもかさ張らない
小説やマンガに救いを求めれば求めるほど、その保管場所に悩まされるジレンマ。
本棚にびっしり並んだ本たちを眺めるのもオツなものですが、さすがに重みで棚がたわんでくるのはいただけません。
かと言って押し入れにしまえば気軽に見れないし、手放すなんてもってのほか……。
この揺れる読者心に答えを出したのが、Kindleでした。
なんせ何億冊買おうとも、本体の大きさは変わりません。机の隅に置いておけばいつでも全ての購入書籍が読めてしまいます。
もちろん重さも変わらないので、外出する時も何十冊という本を持っていけるわけです。
特に複数冊を同時進行で読む習慣のある方には強くおすすめします。もうバッグが破れるかも……とビクビクしながら単行本を押し込まなくていいのです。
そしてここまで言っておいてアレですが、個人的には紙の本の質感も好きなので、全ての本をKindleで買っているわけではなかったりします。
僕の場合は「思い入れのある作家の本」は紙の本で、「初めて買う作家の本」「教則本や参考書」はKindleで、という感じで買い分けをしています。
要はファングッズとして買うか、情報源として買うかで分けているということです。
何かと間を取りたがる日本人の感じが出ていて恥ずかしいですが、いいトコ取りが出来て満足度は高いので、これで良いような気がしています。
使って感じるデメリット
そろそろ導入から2年が経とうとしているため、いっちょ前に不満点も出てきました。
普通に改善して欲しいものから半ば揚げ足取りに近いものまであるので、購入する際の参考にしてもらえればと思います。
電子書籍で買った本は売れない
初っ端から揚げ足取りですが、電子書籍はデータなので中古として売ったりできません。オーキド博士の合いの手が聴こえてくるようです。
個人的には紙の本でも売ること自体があまりないのでそこまで気にならないですが、周囲には「読んだ本を速攻で売って次の購入資金に充てる」という鬼みたいな新陳代謝の読書を良しとする派閥もあるため、人によってはネックになるかもしれません。
紙の本が廃れない理由の一つとして、古本があるのは確かだと思います。
固定レイアウトの書籍は「選択」ができない
上でも書いた通り、Kindle本は文章を長押しして選択することで語句の検索やマークアップができるようになっているのですが、この機能はすべてのKindle本でできるわけではないのです。
一部のKindle本には固定レイアウトと呼ばれる方式で作成されているものがあり、全てのページがそれぞれ1枚の画像になっているため文の選択ができません。
翻訳機能やマーカー機能を目的に導入する場合は、書籍の購入時に以下の表記がないか確認しましょう。
初めてコレに遭遇したときは「バグだ!!」と思い、割れろKindleとばかりに力の限り長押ししたものです。しかし事態は何一つ好転しなかったので注意してください。
パラパラできない
いよいよ何を言っているのか分からなくなってきたかと思いますが、電子書籍には特に学習書などでありがちな「複数のページを行ったり来たりして見比べる」読み方がしにくい、という弱点があります。
もちろんページ移動自体はシークバーがあるので一瞬でできますが、物理的にしおりを挟んだりできる紙の本と比べると、どうしても操作の手間が多くなってしまいます。
見比べる回数が多いほどわずかな手間が常に若干気になるので、そうなることが予想される本は最初から紙で購入した方がいいかもしれません。
電子書籍と紙の本は手を取り合う
かみのほん データのほん そんなの ひとのかって
そう言ってしまえばそれまでですが、しかし少なくとも一人、紙しか愛せなかった男がデータにも目移りできるようになってしまいました。
電子書籍にそうさせるだけの確かな魅力があるのは間違いありません。girl next doorはあれだけゴリ押ししても全く売れなかったのですから。
そしてつい忘れがちですが、紙の本と電子書籍は共存が可能です。大事な紙の本を守るためにメモは電子書籍版に書き込む、という使い方だってあり得ます。
興味があるなら知るために触れてみて、合わなければやめる。それでいいと思います。
それはまさしく、本を手に取る時と同じ感情なのですから。